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知的障害の障害年金の申請ポイントを解説!



知的障害の障害の程度は様々です。

子どものころから障害が顕在化している方もいれば、

大人になって社会に出てから障害に気が付くといった方もいます。

当事務所でも知的障害の方の相談を行っていますが

特によく聞かれるのが「子どもの将来が心配である」という声です。

障害のために仕事が続かなかったり、制限を受けたりする場合も多く

障害年金が本人のみならず、ご家族にとっても重要なものであることがうかがえます。

今回は知的障害で障害年金を申請するためのポイントをお伝えします。

 

目次

知的障害での受給要件

基本的に障害年金をもらうためには、「初診日要件」と「保険料納付要件」「障害の状態」を満たしていることが必要です。
知的障害は、先天性またはおおむね発達期(18歳)までにあらわれる障害のため、初診日は「出生日」となります。
また、20歳前障害の場合は「保険料納付要件」も問われることはありません。
大人になってから知的障害とわかった場合でも同じです。
知的障害では、障害の状態が定められた基準に該当しているかどうかで、障害年金の支給や等級が決められます。

障害の状態

では、障害年金を受給できる「障害の状態」とはどのようなものでしょう。
障害の程度は傷病ごとに「障害認定基準」によって定められています。

障害認定基準による知的障害とは
「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に持続的な支障が生じているため、何らかの特別な援助を必要とする状態にあるものをいう。」と定められています。
そして、障害の程度が以下の状態であると、障害年金を受給することができるとされています。

〇1級
知的障害があり、食事や身の回りのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能かもしくは困難であるため、日常生活が困難で常時援助を必要とするもの

〇2級
知的障害があり、食事や身の回りのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による意思疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの

知的障害の認定に当たっては、知能指数のみに着眼するのではなく、日常における様々な場面における援助の必要度や、社会的な適応度の程度などを勘案して総合的に判断されます。

また、就労支援施設や小規模作業所、一般雇用など労働に従事してることをもって、直ちに日常生活能力が向上しているとはとらえず、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場における援助の内容、他の従業員との意思疎通状況などを十分確認したうえで日常生活能力を判断することとされています。
等級判定ガイドラインでは目安とされた等級であっても、それだけでは捉えきれない障害ごとの特性があります。そのため、以下のような要素を総合的に考慮され、最終的な等級が決定されることになります。

その他考慮される要素として、発育・養育歴、教育歴などがあります。
また、療育手帳の取得の有無なども考慮されます。必ずしも療育手帳の取得が必要というわけではなく、
療育手帳が交付されていなくても障害年金が支給されることもあります。

大人になってから判明し障害年金を請求する知的障害については、幼少期の状況が考慮されます。

申請のポイント

では、申請のポイントを確認しましょう。

①在学中から準備を始めましょう。
障害年金は、自らが申請しないと受給できません。国や自治体からは何の連絡もありません。
特別支援学校などでは、在学中に学校から障害年金の周知を行っている学校もあります。
特別支援学校の教員の方々は、様々な社会福祉について幅広い知識をお持ちです。
また、在学中から制度について調べることにより、保護者同士での情報交換や病院の情報を得ることができます。

②初診日証明は必要ありません。
受給要件でもお伝えしましたが、障害年金申請には「初診日の証明」が必要です。
これは「受診状況等証明書」といって、その傷病で最初に診察を受けた医師に、初診日を証明してもらう書類です。
しかし、知的障害は先天性の障害あるいは18歳ごろまでに生じる障害とみなされているため、出生日が初診日とされています。そのため、受診状況等証明書は必要ありません。

③診察可能な病院を確保しましょう。
知的障害の場合、日常生活において医療的なケアが必要な場合が少なく、幼少期に検査や診断を受けてから通院していない方が多いようです。当事務所で相談を受けた知的障害の方も、通院されている方は少数です。
しかし、障害年金を申請するためには医師の診断書が必要です。
20歳になったから診断書を書いてもらおうと医師にお願いしても、医師は診察を受けていない人の診断書を書くことはできません。
知的障害の場合、1回の受診で診察・検査を行い診断書を書いてくださる病院もありますが、数回通院して状態を確認してから書く場合もあります。
そのためにも在学中、あるいは卒業後すぐに主治医を決めて、定期的に通院するのが良いでしょう。

④日常生活の自立状況を病歴・就労状況等申立書にきちんと記入しましょう。
診断書は医師が作成しますが、病歴・就労状況等申立書は申請者自身が作成します。
出生から現在までの成育歴、日常生活状況、通院歴、障害の状態や症状、就労状況などを記入します。
長期間受診や通院を行っていない場合は、受診・通院状況等は無理に記入する必要はありません。
成育歴、日常生活や就労状況、病状などについて具体的に記入してください。

経過を出生から年月順にあげていくのは、なかなか大変です。覚えていないことも多いと思います。
そのような時は幼稚園の連絡帳、通信簿、家族の日記、検査を受けた時の記録などを参考にするとよいでしょう。
連絡帳や通信簿には、教師からのコメントなどが書かれており、当時の状況を思い出すきっかけとなるでしょう。

⑤診断書取得の時期が大事です。
障害年金申請には、「障害認定日」の前後3か月以内に書かれた診断書が必要です。
知的障害の場合は20歳前障害なので障害認定日は「20歳の誕生日」となります。
つまり、原則20歳の誕生日の前後3か月以内に医師の診察を受けて、診断書をお願いする必要があります。

診断書は障害年金の審査において、もっとも重要視されます。
診察時間が短かったり、少ない通院回数で医師に現在の状況を詳しく伝えることは難しいでしょう。
しかし、診断書には日常生活の自立状況や就労状況などを反映してもらう必要があります。
医師に診断書を依頼するときは、客観的に見て、できること・できないことを伝えるよう心がけましょう。メモにまとめて渡すのも有効な方法です。

関連リンクはこちら

申請は「20歳の誕生日から」

知的障害の障害年金は20歳の誕生日から請求できます。
診断書の現症年月日は20歳の誕生日の3カ月前から可能です。誕生日の3カ月前になってすぐに診断書の作成依頼をすれば20歳の誕生日が来たらすぐに請求できます。
支援学校等に在籍中から準備をはじめ、書類を集める時間に余裕を持ち慎重に用意をしましょう。
「難しくてよくわからない」など疑問や不安のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。


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