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障害年金をもらうと、将来の老齢年金が少なくなる?



「障害年金を受給すると、将来受給する老齢年金が少なるのではないか」というご心配をされている方がおられます。

しかし、障害年金と老齢年金は別物です。

受給要件も異なりますので、障害年金を受給しても65歳からの老齢年金に影響はありません。

ではなぜ「障害年金を受給すると、老齢年金が少なくなる」と思われているのでしょうか。

目次

「障害年金をもらうと、将来の老齢年金が少なくなる?」と思われている理由

理由は2つあります。

① 繰り上げ受給との混同

老齢年金の場合、通常は65歳から受給しますが、60歳以降は早めに受給を開始することもできます。

これが、繰り上げ受給です。この場合は、受給額が減額されます。早めに受給を開始するほど減額率は大きくなります。最大で30%です。

② 国民年金保険料の法廷免除

障害等級が2級以上の障害年金の受給権を得ると、国民年金の保険料について法定免除が適用され、
手続きをすることによって保険料が免除されます。

そして、免除期間は、老齢年金の受給に際しては、
2分の1納付済み期間(2009年3月以前は3分の1納付済み期間。以下同様)として計算されます。

このため、65歳から老齢年金を受給する場合は、それだけ、受給額が減ることになります。

もっとも、この期間中は保険料の納付はしなくてよいのですから、2分の1納付済み期間として計算されるのは、ありがたいことだと思います。

65歳になったとき、どちらか選ぶ必要が

障害年金を受給している人、あるいはこれから受給する人が考えなければならないのは、65歳になったときに障害年金と老齢年金のどちらを受給するかということです。

これについても2通りの可能性があります。

【A】障害年金を受給

障害年金の受給が続いていた場合 障害年金の受給権に併せて老齢年金の受給権も発生し、どちらを受給するか選択することになります。

障害年金は2級で満額受給でき、しかも非課税ですので、普通は障害年金を選ぶことになるでしょう。

この場合、「老齢年金のために」と納付していた国民年金保険料は、いわゆる「掛け捨て」となってしまいます。

 【B】老齢年金を受給

傷病が軽快して、障害年金の受給が停止していた場合は、老齢年金を受給することになります。

精神疾患や内部疾患の場合にこのケースが多いようです。

障害年金の受給で保険料納付の法定免除を受けていた場合は、その期間が2分の1に計算されるので、受給額は、その分だけ減額されます。

老齢年金を減らさないためには

【B】の場合の対応としては2通りの方法があります。

1つは、受給額の減額を避けたい場合です。

保険料の納付については、「任意納付」や「追納」の制度があります。

「任意納付」は、法定免除適用の手続きを取らずに普通に保険料を納付する制度です。

「追納」は10年以内なら後から納付できる制度です。

減額を避けたい場合は、そうした制度が利用できます。

保険料納付額と老齢年金受給額を比較してみる

もう1つは、保険料の納付額と老齢年金(正確には、老齢基礎年金。以下同様)の受給額を比較してみることです。

話を分かりやすくするため、例を挙げて試算してみます。

2021年度の場合、毎月の保険料は1万6610円で年間保険料は19万9320円、

老齢年金の満額は78万900円ですが、わかりやすいように、

年間保険料は20万円、老齢年金の満額は80万円とします。

仮に、20歳から60歳に至るまでの40年間のうち20年間が納付済みで、残りの20年間が法定免除だった場合、

法定免除の20年間は2分の1納付済み期間とみなされるので、

老齢年金の年間受給額は60万円です。

老齢年金の満額との差は20万円です。

一方、法定免除期間の20年間に保険料を納付した場合は、合計して400万円を納付することになります。

この400万円の元が取れるのは、老齢年金を受給し始めて21年後です。

通常の65歳から受給した場合は、元が取れるのは85歳以降ということです。

その一方で、障害厚生年金と老齢厚生年金は、複雑な計算が必要となるため、どちらが高額になるのかは年金事務所に確認する必要があります。

なお、障害年金は非課税ですが、老齢年金は所得税の課税対象になることに注意が必要です。

どちらを選ぶかは、自分で決めるしかない

65歳以降も障害年金を継続して受給できるかどうかは、傷病の種類、軽快の可能性、など個人の状況が大きく関係します。

自分が何歳まで生きるのかは、誰にもわかりません。

法定免除を返上して「任意納付」や「追納」をするかどうかは、それぞれがじっくりと考えてみるしかないようです。


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