令和7年度の年金額が決定しました
これを踏まえ、令和7年度の年金額は、令和6年度と比較して1.9%の引上げとなります。
年金の増額は3年連続となります。
目次
令和7年度の年金額
〇国民年金(老齢基礎年金(満額)1人分
月額69,308円 (令和6年度より+1,308円)
〇厚生老齢年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)
月額232,784円 (令和6年度より+4,412円)
「夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額」とは、夫が平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45.5万円)で40年間就業し、その間妻が専業主婦であった場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
年金は2か月に1回偶数月に「前月までの2か月分」が支給されます。
よって、改定後の年金を受け取るのは令和7年6月支給分(4月分・5月分)からです。
年金額の改定ルール
年金額は、物価変動率や名目手取り賃金変動率に応じて、毎年度改定を行う仕組みとなっています。
物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回る場合は、支え手である現役世代の方々の負担能力に応じた給付とする観点から、名目手取り賃金変動率を用いて改定することが法律で定められています。
このため、令和7年度の年金額は、名目手取り賃金変動率(2.3%)を用いて改定します。
また、令和7年度のマクロ経済スライドによる調整(▲0.4%)が行われ
2.3%-0.4%=1.9%
よって、令和7年度の年金額改定率は1.9%となります。
令和7年度の在職老齢年金の基準額
年金を受給しながら働いている方々にとっては、在職老齢年金の基準額は気になるところです。
令和7年度の在職老齢年金の支給停止調整額は、昨年度より1万円引き上げられ「51万円」となりました。
在職老齢年金は、厚生年金保険に加入しながら老齢厚生年金を受ける60歳以上の方が、基本月額斗総報酬月額に応じ、年金額が支給停止(全部または一部)される仕組みです。
令和7年度からの年金支給停止額(月額換算)
①基本月額と総報酬月額相当額の合計額が51万円以下のとき→支給停止額=0円(全額支給)
②基本月額と総報酬月額相当額の合計額が51万円を超えるとき→支給停止額
=(総報酬月額相当額+基本月額-51万円)×1/2
令和7年度の在職老齢年金制度の基準額「51万円」が適用されるのも、令和7年6月13日支給分(令和7年4月分・5月分)の年金からです。
令和7年度の国民年金保険料も改定されます
国民年金の保険料は、平成16年の年金制度改正により、毎年段階的に引き上げられてきました。
平成31年4月から、次世代育成支援のため、国民年金第1号被保険者(自営業の方など)に対して、産前産後期間の保険料免除制度が施行されたことに伴い、令和元年度分より保険料が月額100円引き上がり17,000円となりました。
実際の保険料額は、名目賃金の変動に応じて毎年改定され、令和8年度は17,510円(令和6年度+530円)となります。
また、令和8年度はさらに410円+の17,920円となる予定です。
「多様なライフコースに応じた年金額」も公表されました
令和6年の財政検証において、個人単位での公的年金加入歴から、各世代の65歳時点における老齢年金の平均額や分布の将来見通し(年金額の分布推計)が作成されました。
当該推計を基にした令和6年度に65歳になる方の加入期間や収入を基礎に、経歴類型・男女別の令和7年度の年金額の概算は以下の通りです。
①厚生年金中心(20年以上)の男性
令和6年度(月額)170,223円
令和7年度(月額)173,457円(+3,234円)
※備考 平均厚生年金期間39.8年 平均年収50.9万円(賞与含む月額換算。以下同じ)基礎年金68,671円 厚生年金104,786円
②国民年金(第1号被保険者)期間中心(20年以上)の男性
令和6年度(月額)61,188円
令和7年度(月額)62,344円(+1,156円)
※備考 平均厚生年金期間7.6年 平均年収36.4万円 基礎年金48,008円 厚生年金14,335円
③厚生年金中心(20年以上)の女性
令和6年度(月額)129,654円
令和7年度(月額)132,117円(+2,463円)
※備考 平均厚生年金期間33.4年 平均年収35.6万円 基礎年金70,566円 厚生年金61,551円
④国民年金(第1号被保険者)期間中心(20年以上)の女性
令和6年度(月額)59,506円
令和7年度(月額)60,636円(+1,127円)
※備考 平均厚生年金期間6.5年 平均年収25.1万円 基礎年金52,151円 厚生年金8,485円
⑤国民年金(第3号被保険者)期間中心(20年以上)の女性
令和6年度(月額)75,379円
令和7年度(月額)76,810円(+1,431円)
※備考 平均厚生年金期間6.7年 平均年収26.3万円 基礎年金67,754円 厚生年金9,056円
これらは、あくまで概算のイメージです。厚生年金の加入期間・月数、厚生年金加入中の平均年収は個々で異なりますので、実際の年金額は人により違います。
まとめ
年金の受給額が増えるのは助かりますが、最近は食品や日用品、郵便料金など、さまざまな分野で値上げが続いていおり、家計を圧迫していると感じている方も多いのではないでしょうか。
年金額の改定があったとしても、実質の手取りが増えた気がしないかもしれませんね。
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