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引きこもりでも障害年金は受給できる?医療機関受診が申請の第一歩


「私たちが動けなくなったら、この子の生活はどうなるんだろう……」

部屋に閉じこもってしまったお子さんの背中を見ながら、そんな消えない不安を抱えてはいませんか?

実は、引きこもり状態にある方の多くが、その背景に発達障害や精神疾患を抱えています。そして、そうした「生きづらさ」によって日常生活に支障が出ている場合、国からの公的な支援である「障害年金」を受け取れる可能性があるのです。
そして、障害年金の申請には医師の診断書が不可欠です。

しかし、引きこもりの方の中には、医療機関の受診を拒否されている方も少なくありません。
ここを突破できないと、障害年金の申請には進めないというジレンマがあります。

今回は、ご本人とご家族、それぞれに向けた現実的で前向きなアドバイスをまとめました。






目次

ご本人へ:受診は「自分を変えるため」ではなく「権利を守るため」


「病院に行こう」と言われると、本人は「今の自分を否定された」「無理やり社会に戻される」と感じて防衛本能が働きます。視点を変えるアプローチが大切です。

①「お金をもらうための手続き」と割り切る
「治すために行く」と思うと重いですが、「将来、親に頼らず生きていくための『受給資格』を取りに行く」という事務的な目的だと捉えてみてください。

②「外に出なくていい方法」を探す
最近はオンライン診療に対応している心療内科も増えています。まずは画面越しに話すことから始めれば、外出の恐怖を回避できます。

③無理に話さなくていい
「何を話せばいいかわからない」なら、紙に今の状況を書いて渡すだけで十分です。医師はそれを読み取ってくれます。

今、この画面を見ている「あなた」へ

もし、あなたが今、部屋の中でこのブログを読んでいて、「病院なんて行きたくない」「自分は年金をもらう資格なんてない」と感じているなら、少しだけお話しさせてください。

あなたが受診をためらう理由、それは「甘え」ではありません
外に出るのが怖い、人と話すとひどく疲れてしまう、何年も前の失敗が頭から離れない……。 そんな状態で「病院に行こう」と言われるのは、丸裸で戦場に行けと言われているような、とてつもない恐怖ですよね。あなたが受診を拒むのは、あなたがわがままだからではなく、今、自分自身の心を必死に守ろうとしているからではないでしょうか。

障害年金は「あなたを縛るもの」ではなく「守るもの」です
「年金をもらったら、もう一生働けないレッテルを貼られる気がする」 そう思うかもしれません。でも、現実は逆です。

障害年金は、あなたが「今は休んでも大丈夫だよ」という許可証のようなものです。 お金の不安が少しだけ軽くなることで、天井を見つめるだけの時間が、少しずつ「今日は好きな音楽を聴こう」「明日は窓を開けてみよう」というエネルギーに変わっていくことがあります。

誰かのために、一度だけ「利用」してみませんか
もし自分のために動くのが難しいなら、「毎日心配して声をかけてくる家族を、安心させるため」に、一度だけ病院という場所を利用してみませんか。

立派なことを話さなくていいです。

うまく説明できなくていいです。

「年金の手続きのために来ました」とだけ言えばいいんです。

病院へ行くことは、負けを認めることではありません。 あなたが、あなたらしく、少しでも穏やかに生きていくための「権利」を手に取るためのステップです。

いつかあなたが、「あの時、一歩踏み出してよかった」と思える日が来ることを、私たちは心から願っています。

ご家族へ:北風ではなく「太陽」のアプローチ


「早く受診しなさい」という言葉は、本人をますます部屋の奥へ追いやってしまいます。

①まずは家族だけで相談に行く
本人が拒否している場合、まずは家族だけで心療内科や精神保健福祉センター(保健所)へ相談に行ってください。家族が専門家とつながることで、家族自身の心の余裕が生まれ、本人への接し方に変化が出ます。

②「あなたの将来が心配」を「私が安心したい」に変換する
「将来どうするの!」ではなく、「お父さんとお母さんも年を取ってきたから、あなたが将来困らないように、今のうちに国のサポート(年金)があるか確認しておきたいんだ。私たちが安心するために協力してくれないかな?」と、家族を助けるための協力として頼んでみてください。

③「受診=即治療」と考えない
「とりあえず1回だけ、年金がもらえる可能性があるか聞きに行ってみよう」と、ゴールを低く設定して提案します。

医療機関に繋がるための工夫

①往診(訪問診療)を探す
精神科でも訪問診療を行っているクリニックがあります。自宅という安心できる環境なら、医師と話せるケースも多いです。

②相談支援センターの活用
地域の「自立相談支援機関」などの相談員さんは、自宅訪問をしてくれることがあります。医療の前に、まずは「理解してくれる第三者」とつながるステップを挟むのも有効です。

お子さんの将来を案じ、日々を懸命に支えている親御さんへ


毎日、扉の向こうにいるお子さんの気配を感じながら、「どうしてあげればいいのか」と自問自答を繰り返していませんか。 時には自分を責め、時には出口の見えない不安に押しつぶされそうになっているかもしれません。そんなあなたに、まず伝えたいことがあります。

あなたは、もう十分に頑張ってきました
今日までお子さんを支え、守り続けてきたこと。それは並大抵のことではありません。「もっと早く何かしていれば」と過去を振り返る必要はありません。今、こうして解決策を探してこの記事に辿り着いたこと自体が、お子さんへの深い愛情の証です。

障害年金は「親子の距離」を適切に保つためのツールです
「子どもの面倒は親が最後まで見るべきだ」と、すべてを背負い込もうとしないでください。 障害年金という公的なサポートを取り入れることは、決して育児の放棄ではありません。むしろ、「親の役割」の一部を「社会」にバトンタッチすることです。

経済的な支えができることで、親御さん自身の心に「ゆとり」が生まれます。そのゆとりが、お子さんに対する焦りやイライラを和らげ、結果として家の中の空気がふっと軽くなる。そんな変化が、お子さんの回復への第一歩になることも多いのです。

「自立」の形は、一つではありません
一人で働いて稼ぐことだけが自立ではありません。 公的な支援を賢く使い、周囲の手を借りながら、穏やかに生活を営んでいく。それもまた、立派な自立の形です。

もしお子さんが受診を拒んでいても、まずはあなた一人が専門家に相談することから始めてみてください。あなたが笑顔を取り戻すことが、実はお子さんにとって一番の安心材料になります。

一人で抱え込まないでください。制度も、私たちのような発信者も、あなたの味方です。

【Q&A】引きこもりと障害年金のよくある疑問


申請前に読者が抱きやすい不安を、一問一答形式でまとめました。

Q1. 親に安定した収入があっても、本人は受給できますか?
A. はい、受給できます。 障害年金は世帯年収ではなく「本人の障害状態」に対して支払われるものです。親の年収や資産額によって受給額が減らされることはありません(※20歳前傷病による障害基礎年金の場合のみ、本人に多額の所得がある場合に限り制限がありますが、一般的な家庭であれば心配ありません)。

Q2. ずっと年金を払っていない(未納)のですが、無理でしょうか?
A. 諦めるのはまだ早いです。 「初診日」が20歳より前であれば、年金の納付義務がない時期なので、未納があっても受給できる可能性があります。また、初診日時点で年金に加入しており、未納期間があっても、一定の免除期間や納付要件を満たしていれば対象になります。まずは年金事務所で「納付要件」を確認しましょう。

Q3. 一度申請して落ちてしまったら、もう二度とチャンスはない?
A. いいえ、何度でも再チャレンジできます。 「不支給」になったとしても、不服申し立て(審査請求)をしたり、時期を置いて症状が悪化した際に再度「新規申請」を行ったりすることが可能です。前回なぜ落ちたのか(書類の不備か、診断書の内容が軽すぎたか等)を分析し、対策を練ることが大切です。

Q4. 障害者手帳を持っていないと申請できませんか?
A. 手帳がなくても申請できます。 「障害者手帳」と「障害年金」は全く別の制度です。手帳を持っていなくても、医師の診断書によって障害の状態が認められれば、年金を受給することは十分に可能です。

Q5. 働けるようになったら、年金はすぐに止まってしまいますか?
A. すぐに止まるとは限りません。 就労したからといって即座に支給停止になるわけではありません。仕事の内容や、職場でどのような配慮(短時間勤務、単純作業への限定など)を受けているかを含めて総合的に判断されます。「少しずつ社会復帰を目指したい」という意欲を応援する制度でもあります。

まとめ


障害年金は「施し」ではなく、困難な状況にある方に認められた「権利」です。

経済的な安心感は、心の余裕を生み、それがひいては「外の世界とつながってみようかな」という小さな意欲につながることもあります。

複雑な手続きに思えますが、まずは最寄りの年金事務所や、障害年金に詳しい社会保険労務士へ、電話一本かけるところから始めてみませんか? あなたとご家族の未来が、少しでも明るいものになることを願っています。

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