専門家が答える! 精神疾患と障害年金 よくある3つの Q&A

今回は、当事務所でも特にご相談の多い「うつ病」「統合失調症」など、精神疾患の障害年金申請で重要かつ誤解されやすい「よくある3つのQ&A」に専門家がお答えします。受給に向けた大切なポイントを、ぜひご一読ください。
目次
①働きながらでも受給できる?

Q1. 「働いている」と障害年金はもらえないと聞きましたが、本当ですか?
A.「働いている=不支給」ではありません。重要なのは「労働能力の制限の程度」です。
障害年金の審査で重視されるのは、診断書上の「日常生活能力の程度」と「労働能力の制限の程度」です。
単に働いているという事実だけでなく、以下の点が詳しく審査されます。
・労働時間・形態
短時間勤務、在宅勤務、または出勤日数に波があるか。
・職場の配慮
業務内容が制限されている、上司や同僚の具体的な援助(指示、声かけ、休憩の確保など)がなければ継続できない状況か。
・賃金水準
一般的な労働者と比較して、賃金が著しく低い水準に留まっているか。
特に、一般雇用でフルタイムに近い時間働いている方でも、職場の特別な配慮(援助)が不可欠な場合や、症状を抑えながら非常に無理をして働いている実態を適切に伝えることができれば、受給の可能性があります。
②過去の通院が途切れてしまったら?

Q2. 以前、精神科に通っていましたが、症状が落ち着いたと思って自己判断で通院を中断してしまいました。申請は無理でしょうか?
A. 初診日が確定できれば、諦める必要はありません。中断期間の理由と再診が重要です。
障害年金の手続きにおいて、最も重要なのが「初診日」(初めて医師の診察を受けた日)の確定です。
【初診日が証明できる】
中断期間が比較的短い(目安として5年以内)場合、再発とみなされ、通算して審査されることが多いです。
中断期間が長い(目安として5年以上)場合、中断の理由(症状が軽快していた、仕事に支障がなかった等)を申立書で丁寧に説明し、社会的治癒(症状が医学的な治癒でなくても、社会的に治癒したと認められる状態)に達していることを証明できれば、再発して再度受診した日が「新たな初診日」となる場合があります。
【初診日が証明できない】
障害年金で初診日が証明できない場合の主な救済策は、以下の3点に集約されます。
・受診状況等証明書が取れない場合は、当時の診察券、お薬手帳、家計簿、第三者(友人や元同僚など)の証言などを客観的証拠として提出し、初診日を合理的に推定させます。
・「初診日に関する第三者申立書」を活用し、当時の状況を知る3名以上の第三者に具体的な通院状況を証言してもらうことで、書類がなくても初診日として認められる可能性があります。
・「初診日を特定できる書類がない場合の申立書」を提出し、複数の医事資料を組み合わせたり、医学的知見から一定の期間内に初診があったことを証明したりすることで、特例的な認定を目指します。
「社会的治癒」と「自己中断」の違い
障害年金の申請において「社会的治癒」は、受給の可否を分ける非常に重要な、しかし少し特殊な考え方です。
本来、障害年金は「その病気で初めて病院に行った日(初診日)」を基準に審査されます。しかし、過去に一度病気が良くなり、普通に生活できていた期間がある場合、「前の病気と今の病気は別物(一度治った)」とみなすのが社会的治癒のルールです。
わかりやすく噛み砕いて解説します。
1. 社会的治癒とは何か?
医学的には完治していなくても、「社会生活に支障がなく、経済的に自立した生活が一定期間続いていた」場合に、法律上の運用として「治ったもの」とみなす仕組みです。
通常、同じ病気が再発した場合は「ずっと続いていた」とみなされますが、社会的治癒が認められると、再発して再度受診した日が「新たな初診日」になります。
2. なぜこれが重要なの?
「初診日」がいつになるかによって、以下の条件がガラリと変わるからです。
加入していた年金の種類: 初診時に「厚生年金」か「国民年金」かで、もらえる金額や等級(3級の有無)が変わります。
保険料の納付要件: 昔の初診日では未納が多くて却下される場合でも、新しい初診日で納付要件を満たしていれば受給できる可能性があります。
初診日の証明: 20年以上前のカルテがなくても、数年前の再発時を初診日にできれば、証明が容易になります。
3. 認められるための「一般的な目安」社会的治癒が認められるには、一般的に以下の状態がおおむね5年程度(精神疾患の場合)継続している必要があります。項目内容治療の停止薬の服用や通院を中断しており、医学的な治療を受けていないこと。就労状況通常の勤務(フルタイム等)を継続しており、仕事に支障がないこと。日常生活家族の援助がなくても、自立して生活できていること。
※「勝手に通院をやめただけ(自己中断)」では認められません。
「通院しなくても元気に働けていた」という実態が必要です。
4. 社会的治癒が認められるケース・認められないケース認められやすい例:10年前にうつ病で通院していたが、その後完治して薬も飲まず、5年以上バリバリと正社員で働いていた。最近になって別のストレスで再発した。
認められにくい例:通院はしていなかったが、体調が悪くて家で寝込んでいた。通院はしていなかったが、障害者雇用や福祉的就労で、配慮を受けながら働いていた。
上記の点から「社会的治癒」は、「過去に病歴があるけれど、頑張って社会復帰していた期間がある人」を救済するための考え方です。
もし「大昔に病院に行ったことがあるけれど、その後は元気に働いていた」という期間があるなら、社会的治癒を主張することで、年金の受給に繋がる可能性が高まります。
③医師に症状を上手く伝えられない

Q3. 診察の時間が短く、医師に日頃の「困っていること」を詳しく伝えられません。どうすれば診断書に適切に反映されますか?
A. ご自身が感じる「つらさ」ではなく、「具体的な日常生活の支障」を伝えましょう。
障害年金の診断書は、「医学的な病気の程度」だけでなく、「その病気によって、どれだけ生活に支障が出ているか」(日常生活能力の評価)を評価する様式になっています。
医師に伝えるべき具体的な内容は以下の通りです。
1.具体的な行動の困難さ
例: 「週に3回以上、お風呂に入れない」「食事の準備ができず、毎日コンビニ食になっている」「ゴミ出しができず家にため込んでいる」
2.援助の必要性
例: 「家族の声かけや見守りがないと、外出や服薬ができない」「家計の管理は全て配偶者が行っている」
3.審査項目との連動
診断書にある「食事」「身辺の清潔保持」「金銭管理」などの7つの項目を意識して、ご自身の状態をまとめたメモを医師に渡すのが最も有効です。
まとめ

「障害年金の手続きが難しそうで、諦めてしまった」 「医師への依頼や役所とのやり取りに自信がない」
そのような不安を解消し、経済的な支えを得て、清々しい新年をスタートさせませんか? 障害年金は、知っているか知らないかで生活が大きく変わる、大切な制度です。
当事務所は、複雑な書類作成や審査請求を専門知識をもって代行し、あなたの受給の可能性を最大限に高めます。
新年こそ、不安を断ち切る行動を。 まずはお気軽に無料相談をご利用ください。一歩踏み出す勇気を、私たちが支えます。
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