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障害年金における統合失調症の認定基準



精神疾患が原因で、障害年金の受給を考えている人や申請を行う人が増えています。

精神疾患は、仕事や日常生活に大きな影響を及ぼす病気の一つです。

仕事や日常生活に支障をきたすようになると、経済的にも困窮し、その不安が病気をさらに悪化させる場合もあります。

「自分の病気は障害年金の申請に該当するのか」と悩み、申請をためらっている方もいることでしょう。

障害年金おいて、精神の障害の認定対象とされるのは認定要領によると、

「統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害」「気分(感情)障害」「症状性を含む器質性精神障害」「認知障害」「てんかん」「知的障害」「発達障害」です。

今回はその中から「統合失調症」について、障害年金の認定基準に記載されている内容について見ていきます。

 

目次

統合失調症とは

 統合失調症は、精神機能が分裂状態を呈して、思考や感情がまとまりにくくなり、その人本来が持っている知的水準や身体能力が損なわれ、社会的な役割を果たせなくなるものです。
 
 根本的な原因はすべて解明されているわけではありませんが、ドーパミンなどの神経伝達物質のバランスの乱れによる脳の代謝異常、社会心理的なストレスなどの環境因子が関わっていると推測されます。
 
 比較的若年から発病することが多く、自閉症、感情の鈍麻、幻覚・幻聴症状、妄想、周辺への無関心、意欲の減退、奇妙な行動などの症状が現れます。

症状によっては、別人格が現れたり、家族や周囲の方に暴力的な行為に及んだり、
警察沙汰を引き起こしてしまったりと日常生活や社会生活に深刻な影響が出てきます。

統合失調症の分類

 日本では統合失調症の診断・分類はWHOの「国際疾病分類第10版」(ICD-10)を用いて行われており、これによると9つのタイプに分けられています。

①妄想型:妄想や幻覚・幻聴を主症状とする。自分が考えていることが声となって聞こえたり、自分の考えていることが周囲の人に知られてしまうなどの思い込みをします。30歳以降の比較的遅い年齢でも発症することがあります。

②解体型(破瓜型):以前は破瓜型(思春期)と呼ばれ、思春期から青年期に発症することが多いタイプです。常識的な世界が崩壊し、思考や行動が解体した状態で、ひきこもり、周囲への無関心、独り言などが症状として現れます。

③緊張型:激しい興奮状態や逆に全く無反応な状態が突然出現します。脳内神経伝達物質のドーパミンが過剰に放出されたときなどに現れると考えられています。

④型分類困難型:妄想型、解体型、緊張型の分類に収まらずに、これらの方の特徴を併せ持ったタイプ。

⑤統合失調症後抑うつ:統合失調症の後に、ある期間にわたって抑うつ状態が続くもの。

⑥残遺型:感情が鈍麻し、思考のまとまりに欠け、意欲が低下するなど、陰性症状が長く続きます。

⑦単純型:感情鈍麻や意欲低下、ひきこもりなどが徐々に進行していくものです。

⑧その他の統合失調症:上記に分類できない型の統合失調症をまとめていいます。

⑨特定不能:特定できないものをいいます。

統合失調症の障害認定基準と評価

 統合失調症は、これまで見てきたような様々な精神症状が認められますが、それらの症状が多岐にわたり、なおかつ、経過も多様です。
 予後不良の場合もありますが、罹病して数年から数十年の経過中に症状が好転する場合もあります。また、その反面急激に悪くなり、その状態が続くこともあります。

 したがって、統合失調症の障害認定は、発病時からの療養及び症状の経過を十分考慮して行われます。

 気分(感情)障害は症状が発症している時期と消失している時期を繰り返します。したがって現在の状況のみで認定することは不十分なので、日常生活の状態も十分考慮されます。

 また、仕事をしている方に関しては、仕事をしていることをもって、日常生活能力が向上しているとは判断せず、療養状況や仕事の内容や状況、支援を受けているのであればその内容などを十分考慮したうえで判断されます。

 障害年金の申請には医師の診断書が必要であり、その内容によって審査が行われ等級などの結果が決まります。

 短い診察時間の中で、医師に日常生活や仕事の上での困難さを伝えるのは大変難かしく
特に精神疾患の方は薬の増量や入院勧奨、出勤停止などを恐れて、医師の前では「できること」を話してしまう傾向があります。
うまく伝えられなかったことで、診断書の内容が自分が思っているよりも症状が軽く書かれていたということも少なくありません。

 医師に診断書を依頼するときは、あらかじめ自分の伝えたいこと、困っていることなどメモ書きにして渡すなど具体的な情報を伝えることが大切です。


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