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「学生納付特例」利用しないデメリット 徹底解説!



民法改正により令和4年(2022年)4月1日から、成年年齢が20歳から18歳に変わりました。

令和4年(2022年)4月1日に18歳、19歳に達している方はその日から新成人となります。

しかし、国民年金の加入は従前どおり20歳以上です。

20歳以上であれば、学生も加入しなければなりません。

国民年金の保険料を納付することが難しい、年金制度の理解がないなどの理由から

未納のまま放置すると、様々なデメリットが発生します。

今回は、保険料納付が難しい学生のための「学生納付特例制度」についてお伝えします。

目次

国民年金保険料学生納付特例制度とは

国民年金は、20歳以上であれば、学生も被保険者となり保険料を納付しなければなりません。
しかし、学生は一般的には所得が少ないため、本人の所得が一定以下の場合、国民年金保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」を利用することができます。

対象者は、学校教育法に規定する大学(大学院)、短期大学、高等学校、高等専門学校、専修学校及び各種学校(修業年限1年以上である課程)に在学する学生です。
夜間・定時制課程や通信課程の人も含まれるので、ほとんどの学生が対象です。

それに加えて、本人の前年所得が次の計算式で計算した金額以下であることが条件です。
なお、家族の所得の多寡は問いません。本人の所得のみです。

128万円(令和2年度以前は118万円)+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除

学生納付特例の承認期間は4月から翌年3月までとなりますが、承認を受けた次の年度も在学予定である場合は
4月初めに再申請の用紙が年金機構から届くので、再度申請を行ってください。





老齢基礎年金との関係

老齢基礎年金を受け取るためには、原則として保険料の納付済期間等が10年以上必要です。
学生納付特例制度の承認を受けた期間は、この10年以上という老齢基礎年金の受給資格期間に含まれます。

ただし、老齢基礎年金の額の計算の対象となる期間には含まれません。
満額の老齢基礎年金を受け取るためには、40年間の保険料納付済期間が必要です。
このため、将来、満額の基礎年金を受け取るために、
10年間のうちに保険料を納付(追納)することができます。

障害基礎年金との関係

病気やケガで障害を負った場合、下記の①または②に該当すると障害基礎年金が支給されます。
①事故が発生した月の前々月までの被保険者期間のうち保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が
 3分の2以上ある場合
②事故が発生した月の前々月までの1年間に保険料の未納がない場合

学生納付特例制度の承認を受けている期間は、保険料納付済期間と同様に当該要件の対象期間となりますので
万が一の時にも安心です。

なお、国民年金に加入して保険料を納付するのは20歳以降なので、先天的な障害がある人・20歳前に初診日がある人は保険料を納付していなくても障害基礎年金を請求することができます。

国民年金保険料を納付しないデメリット

デメリットは3つあります。

①年金を受け取れない
先ほども述べましたが、老齢年金は10年以上の資格期間がないと、受け取れません。
当然のことですが、年金保険料の納付済期間が短ければ短いほど、受け取る老齢年金額は少なくなります。
学生納付特例を利用して納付猶予された保険料は、可能な限り追納することをお勧めします。

②障害基礎年金が受け取れない
「障害年金との関係」で述べましたが、障害基礎年金を申請するには保険料納付要件があります。
この要件を満たしていないと、残念ですがその期間に負った障害に関しては請求することができません。

③財産差し押さえの可能性
国民年金保険料を納付することは、国民年金法に定められた義務でもあります。
保険料を納付せず放置することは、税金を支払わない場合と同様に、督促状が届いたり、財産を差し押さえられることもあります。
一般的に、民間金融機関への返済を怠ると、督促状が届き、財産が差し押さえられます。
その場合は差し押さえの実行に裁判所の許可が必要となります。
しかし税金や年金はそれぞれの担当部署が、裁判所の許可を得なくても直接差し押さえすることができます。

学生納付特例の「免除」と「未納」の違い

学生納付特例における「免除」と「未納」は、将来受け取る年金に大きな影響を与えるため、混同しないことが重要です。

〇学生納付特例の「免除」
 学生納付特例を利用することで、将来の年金受給権の確保だけでなく、万一の事故などにより障害を負ったときの 障害基礎年金の受給資格を確保することができます。 注意点としては、以下のようなものがあります。
・免除を受けるためには、毎年申請する必要があります。
・免除された期間は、将来受け取る年金額の計算に含まれません。
・免除された期間が長ければ長いほど、将来受け取る年金額は低くなります。(追納すれば影響なし)

〇学生納付特例の「未納」
 保険料を納付期限までに納めなかった場合、あるいは制度の申請をせず放置した場合等は未納となります。未納になると、以下のペナルティを受けます。
・将来受け取る年金額が減額されます。
・年金の受給資格期間に算入されません。
・病気や事故で障害状態になった時に、障害年金を受給することができない可能性があります。

将来のために

日本国内に住むすべての人は、20歳になった時から国民年金の被保険者となり、保険料納付が義務付けられます。しかしこの制度について正しく周知されていない現状があります。
特に学生に対して、この制度についての教育がほとんどなされていません。

20歳になって、国民年金保険料の納付書が届いても理解できず放置していることもあります。
保険料を納めないことで発生するデメリットについては、ほとんど報道されることもありません。

学生の間は親などから生活費等を受けており、保険料を納付する余裕がないケースも多いでしょう。
特に今はコロナの影響で親の収入自体が減少しており、学生である子どもの保険料は大きな負担となります。
しかし、放置していると将来や障害を負ったときに、保障を受けることができなくなります。

そのためにも、学生納付特例制度を利用して、将来の年金に備えていただきたいと思います。

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