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お知らせ

傷病手当金と障害年金



今回は、傷病手当金と障害年金の関係についてお伝えします。

「傷病手当金」と「障害年金」は、どちらも働いていた人が

病気やけがで働けなくなった時に受給できるものです。

いずれも就労による収入が得られなくなった時の経済的支援です。

この2つは同時に受給することが可能ではありますが、

制度の違いや併給調整など注意点もあります。

目次

傷病手当金とは

傷病手当金とは、健康保険の被保険者が、業務外での病気やケガで働くことができない状態となった時に、
加入している健康保険から支給される給付金制度です。

「健康保険」とは、協会けんぽ(全国健康保険協会)、企業の健康保険組合、公務員や私立学校教職員加入の共済組合のことです。この健康保険の加入者(被保険者)が傷病手当金の受給対象者です。

自営業者等が加入する国民健康保険は、傷病手当金の対象外です。
業務上で生じた病気やけがは労災(労働者災害補償保険)になるので、この場合も対象外です。

傷病手当金は、仕事ができなくなって休業して4日目から支給されます。

傷病手当金の受給者は増加傾向

厚生労働省の資料によると、平成25年以降傷病手当金の支給件数は、増加傾向にあります。
平成29年度の支給件数は約190万件、支給金額は約3,600億円です。

平成30年度の傷病手当金の疾病別構成割合をみると、新生物(がん)が全体の約2割、精神および行動の障害が約3割となっています。
この2つの疾病で全体の約5割を占めています。

新生物(がん)や精神疾患は、障害年金の請求においても数多く請求される傷病でもあります。

障害年金とは

障害年金とは、病気やけがで仕事や日常生活に制限を受けたり、支障が出る状態になった人が受給できる公的年金制度です。

病気やけがのために初めて医療機関を受診した日(初診日)に、国民年金に加入していれば障害基礎年金、厚生年金に加入していれば障害基礎年金と障害厚生年金を受給することができます。

原則として、初診日から1年6か月経過後から申請が可能となります。

傷病手当金と障害年金の違いは

病気やけがで仕事や生活に影響がある場合受給することができるという点において
似たような制度のように思いますが、相違する点があります。

支給期間

傷病手当金の支給期間は、令和4年1月1日より支給を開始した日から通算して最長1年6か月となりました。
ただし支給を開始した日が令和2年7月1日以前の場合は、従来通り支給開始日から暦日で最長1年6か月までとなります。
支給期間が通算で1年6か月に達すると、病気やケガが治らず就労できない状態であっても支給は終了します。

障害年金は、障害認定基準に該当している限り支給を受けることができます。
ただし、基準に該当しているか確認するため、数年ごとに更新手続きが必要です。
その際には、医師の診断書等が必要となります。
症状が永久固定している場合は、更新手続きはありません。

症状・病状

傷病手当金の給付要件は「療養のため労務に服することができないとき」とあります。
要するに「本来の仕事ができない状態」ということです。

障害年金は、症状や部位ごとに定められた「障害認定基準」があり、この基準に該当するような状態であることを、医師の診断書によって判断されます。

支給額

傷病手当金は、(日額)×(4日目以降休業した日数)が支給されます。
日額=(支給開始月以前の直近12ヶ月間の標準報酬月額の平均額)×1/30×2/3
日額は標準報酬月額に応じた金額となるため、症状の重症度は関係ありません。

支給開始前12ヵ月間の標準報酬月額が30万円だった場合、傷病手当金の1日当たりの金額は以下のようになります。

・30万円÷30日×2/3=約6,666円

障害年金は、初診日に加入していた制度(国民年金・厚生年金)・障害の程度(等級)・生計維持関係(配偶者や子)の人数・報酬額(厚生年金)など、様々な要素により年金額が決定されます。

傷病手当金と障害年金は併給調整されます

社会保険・社会保障制度は、年金や手当金を受給したときに、他の支給額が減額あるいは支給停止されるという併給調整の仕組みがあります。

例えば、在職老齢年金制度は、60歳以上の人が年金をもらいながら仕事をすると、仕事の報酬額に比例して年金が減額される制度です。

傷病手当金と障害年金も、このような関係性があります。

いずれも病気やけがで働けなくなった時に支給されますが、その原因が同一の「病気やケガ」の場合、
同時期に傷病手当金と障害年金を全額受給することはできません。

併給調整の仕組み

傷病手当金と障害年金を同時に受給する場合、障害年金が優先的に支給され、傷病手当金は差額がある場合のみ差額だけ支給されます。

一般的には傷病手当金を先に受給するケースがほとんどです。
流れとしては以下のとおりです。
①まず傷病手当金が全額支払われる。
②後から障害年金の受給が決定して支給が始まると、重複期間についても障害年金が全額支給される。
③このままだと重複期間が生じるため、健康保険から「障害年金との重複支給部分の傷病手当金返還」の連絡がある

重複期間のうち障害年金相当分のみ、返還の必要があります。

要するにどちらか支給額の多い方の額までしか支払われないのです。

傷病手当を受けている人が障害年金を受けられるようになっても、収入は増えません。
通常、傷病手当金が障害年金より多いからです。

(例)傷病手当金日額6000円 障害厚生年金額180万円(180万円÷360=日額換算5000円)

①傷病手当金6000円のうち障害年金相当額5000円が支給停止
②差額1000円は停止されず、傷病手当金として支給
③障害年金(日額換算5000円)は通常通り支給



障害年金の受給はいつから考えるべきか

傷病手当金の受給は最長通算1年6か月です。その期間が過ぎると、病気やケガが治っていなくても支給は終了します。その先の経済的な不安から障害年金を考え始める方が多いようです。

では、障害年金の準備はいつごろから始めればいいのでしょうか。

障害年金の支給申請ができるのは、初診日(病気やけがで最初に医療機関を受診した日)から原則1年6か月経過後です。
初診日から1年6か月を経過した日を、障害認定日といいます。
障害年金は、この障害認定日時点の病気やけがの状態が、認定基準に達していなければ、
請求しても受給できません。
そして障害年金は請求すればすぐに支給されるものではありません。

請求後、審査に約3か月、初回分が入金されるのにさらに約1か月と、4か月から5か月ぐらいかかります。

また、障害年金を請求するには医師に診断書を作成してもらったり、自分で申立書や様々な書類を準備しなければなりません。この準備だけでも約1か月から2か月程度かかります。

病気やけがの状態が悪く、傷病手当金の支給が満了しても復帰のめどが立たないようであれば、支給期間が満了する6か月から4か月前から準備を始めるとよいでしょう。

病状が軽快や再発を繰り返すような状態であれば、仕事に戻ったとしても、将来障害年金を申請する可能性は高くなります。その時に備えて初診の医療機関から「受診状況等証明書」を取得しておくことをお勧めします。

例えば糖尿病や精神疾患など長期にわたって治療の必要がある疾病などは、障害年金の申請を考えた時に
初診日の証明である「受診状況等証明書」が取得できず、申請に苦労したり、断念したりする場合があります。初診日が5年以上前だとカルテが残っていなかったり、あるいは病院が廃院していたりして証明書を取得できないなどのケースがあるためです。

「受診状況等証明書」には使用期限がありません。取得しておけば、その時には障害年金を申請するほど状況が悪くなくとも、将来の申請に使えます。







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